将来の夢の見つけ方は「なりたいこと」ではなく「やりたいこと」?

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現在のなりたい職業ランキングでは、上位に「公務員」「サラリーマン」「金融業界」という職種ではないものがランクインしている。夢がなくて寂しいなとも思うが、そもそも将来の夢を考える時に「何になりたいか?」という職種を考えるのには、少し違うのではないかと思う。

私がリクルートにいた時に、今は廃刊となってしまったが、「ニッポンの仕事999」という999職種を紹介する本を作っていた。世の中にはこれほどまでに職種があるが、一般的な人職種を挙げたとしても10個くらいしか言えないと思う。しかも最近は「ユーチューバー」などという新しい職種も誕生している。一方で花形だった仕事も、時代とともに不要になる。例えば「車のエンジン開発」は電気自動車の誕生とともに不要になった。そしてこれからは車の自動運転により「運転手」も不要になるだろう。

将来の仕事が予想できない時代になった。生涯ひとつの職業で全うできるかどうか、分からない時代になった。
だから「何になりたいか?」と考えるのは間違っていると思う。

まずは「やりたいこと」「社会に影響を与えたいこと」「実現したい世界観」ということを考えてみてはどうだろうか。それを考えた時に実現できる職業は複数はずだ。その柔軟さこそが今の時代必要で、そう考えていないと逆に生涯の仕事に一貫性がなくなってしまう。

例えば私の場合、「野生動物の保全に関わりたい」という夢がある。これを実現するためには、直接的では「動物保護団体に勤めて動物を保護する」という仕事があるが、一方で間接的には、「動物保護に関わるサイトを作って、多くの人にその現実を知ってもらう」という仕事や、「動物保護団体の基金を集めて、団体の活動を金銭面でサポートする」という仕事などが考えられる。

そこで私は「動物保護に関わるサイトを作って、多くの人にその現実を知ってもらう」を選択し、今まで「ケイコとマナブ」「an」など、スクール情報誌、求人サイト、婚活サイトなどを作り、情報発信について学んできた。経歴だけ見るといろんな会社でいろんなサイトを作っているので一貫性がないようにみえるかもしれないが、私の中では「情報発信」という軸がある。だから例えばそのメディアがなくなったとしても、私が次にすべきことに迷いはない。

あなたがやりたいことは何だろう?どんなことを提供・創造できる自分になりたいですか?